UNDER WORLD






「やだも〜、昨日はごめんね〜」
「い、いや、大丈夫さ。」
あれから(ナディアにキスをされてから)記憶が無い(当たり前か)ルナは、頭に何かが突っかかってるようで気になって仕方ない。と落ち着かない様子だった。
「イリアが私を家まで運んでくれたんでしょ??んもぅ…はずかし。でも、どうしてこうなってたのかな??原因がアレ(ミステリー)だったら、ミスファンに投稿出来るのにな〜。」
きゃーきゃーと、彼女は投稿したら…☆のストーリーを妄想中だろう。
ちなみに…ルナの家ギリギリまでに運んでくれたのは勿論ナディアだ。
見覚えのある人物をみつけ、笑って声をかける。
「ナディア!」
「!お、イリア。相変わらず可愛い顔…いて、何すんだよ…」
「別にぃ?」
悪かったな、女顔で。
そんな個人的なコンプレックスを込めて言葉と共に彼を蹴った。
「あー先輩〜。」
じろじろじろとルナがナディアの顔からつま先まで何度も視線を行ったり来たりさせる。
「灰になってない…?」
「ははん、嘗めないでおくれ。」
腕を組んで、自信たっぷりに言う。
「ミスファンに投稿できるね。」
「『ミステリー&ファンタジー』…か。」
「え?!…何そのヤバそうな名前の雑誌…」
力の抜けた声と、驚きの表情。
「大丈夫ですって、実名出しませんから!!」
「いや、お…俺は慣れてるから…ほかの奴らは一発アウトだし…」
「そーいえば、クレスはすんごく外の授業だれてたもんな。つーか、今思えば出てなかったか??」
今度はルナが腕を組んでふんふんと頷いた。
「太陽の下で灰にならないだけで凄いのに、太陽の下でピンピンしている先輩は一体どれぐらい生きてるんでしょうねぇ。あ、でもどれぐらい生きてるかの問題じゃないか?」
ナディアの頬が確実に引きつっている。
ルナって、全然顔に似合ってないからな、趣味。
(オイ、イリア。)
(はい??)
長身を屈めて、俺の耳元に囁いてくる。
(ルナって、外見はトップクラスって聞くけど、趣味を知ると魅力半減だな。)
(ははは…みんなそう言いますよ。)
「ちょっとせんぱーい!答えてくださいよぉ。」
「は…はははは…」
彼の困った表情を見て、確実に面白がっているイリア。
(キスしていいかな??)
(…ダメ。)
じろりと、イリアが横目でナディアを睨んだ。
ナディアがクスッとイリアを笑う。
「可愛いなぁ。イリアは。」
「………。」
ぶー。と一人怒っているイリアの頭にポンと手を置いて笑う。
そして、一人またクスと笑った。
「お兄さんはいつでもイリアたちの味方だからね。」
彼の優しい笑顔に、負けじとこちらも笑い返した。
「じゃ。」
彼が霧の様に消え失せると、今度は後ろがわめく。
「あ〜!先輩逃げた〜!!」
「いこーよ、ルナ。」
「んもー。」
先輩がぬけて、自分たちのクラスへと足を進めていく。
歩き始めるとまたルナは違う話題を考え付く。
「そーいえば、イリアのあの目玉お化けって何??」
「え?!」
あ。そっか、ディズ見せちゃったんだ。
怪物オタの彼女にはたまらない一品だったに違いない。
「秘密。」
「ええー?イリアまで〜〜?!」
このまま、教室のほうへ歩いていく。
このまま、何もなければいいのに。
このまま、こうしていられますように。



>>第二章「休日のスヽメ」

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